研究生入学や大学院受験準備で頑張っている皆さんへ
お疲れ様です。研究計画書、皆さんにとってどうしても避けられない資料の一つですよね。皆さんはもう、自分なりに研究計画書の書き方を勉強しているはずだと思うんですが、大学院留学生の先輩として、また仕事の関係で毎日研究計画書と必死に戦っている一人の経験者として、標記の質問に対する僕なりの答えを皆さんに共有したいと思います。
研究計画書の書き方を勉強するには、
「論文を読む」ことから始めることをお勧めします。
理由一:研究計画書の目指す最終形態が論文ですから。
研究計画書は何のために存在するのかを一度考えたこと、ありますか?研究の計画書ですから、当然、「研究」のためにちゃんと計画を立てるわけですよね。では、ここで質問、「研究」は何でしょうか?皆さん、「研究」という二文字について真剣に研究したことがありますか。分かるような、わからないような、モヤモヤしていませんか?もしそうでしたら、研究計画書の書き方を勉強する前に、「研究」という二文字をまず理解しなければなりません。だって、「研究」のために計画を立てるのですから。
では、「研究」は何でしょうか。それは様々な角度から定義できると思います。例えば、
- 研究は学術論文を指す場合が多いです。これは一部の外国人留学生たちにとって、母国の言語文化からの影響を受けて、「研究」という二文字は彼らの意識の中で、「=論文」と結びついていません。
- 学術研究を進めるプロセスから定義する場合もあって、例えばこういうステップで作業していくものが学術研究と呼ばれますとか。
- 違う研究領域における研究のアプローチが異なりますから、例えば歴史学研究と言う場合、歴史学の研究手法が研究の定義に内包されています。
以上のように、考え方によって研究への捉え方も違うんですが、基本的には、皆さんは、上記1「研究=学術論文」のことをまず覚えてほしいと思います。というのは、上記2で言っている、学術研究を進めるプロセスですが、そのプロセスを経て最終的な産出物は論文ですから。また、上記3でいう研究分野ごとの研究手法というものも、論文の中で読み取れますので。
これでようやく明瞭になりますね。研究=学術論文で捉える場合、研究計画書は、あなたの修論/博論などの学術論文をどのようにして成功させていくのかというプランになるのです。論文を目指すプランですので、学術論文を読まないといけませんよね。
理由二:学術論文から、研究の進め方も研究計画書の書き方も十分勉強できるから。
研究計画書の最終形態は論文ですから、同じように、どの学術論文でも研究計画から育てられていたから、当然、論文から研究計画書の構成要素や書き方も分かるはずです。実際に、それだけでなく、論の進め方や研究手法など、論文から本当に多くのことを学べます。研究発想も専門知識も学問の歴史も学べるのです。少なくとも、いろんな勉強の手掛かりになると思います。
例えば、研究計画書に研究背景という項目があって、実際にどんな内容を書くべきなのか。分からない人が多いのではないでしょうか。分かると言っても、どう書くのか、どういう論の進め方を取ればいいのか、先行研究をどう持ってくるのか等々、これらについての答えは、あなたならどこで探すの?もちろん、論文でしょう。どの学術論文でも、研究背景と意味している項目か文章は必ず入っていますので。それから研究目的も、調査の方法もですね。
もうお分かりになりましたか?とにかく、あなたの問題関心に近い論文をいっぱい読んでみてください。その論文は当初、どういう研究の計画を立てたんだろうと、なぜそういうテーマにしたんだろうと、いうようなことをできるだけ多く自問自答してください。あなたはきっと前よりずっと多くのことに気が付くでしょう。
皆さん、受験頑張ってください。幸運を祈ります。応援しています。
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