ライティングの法則、その1、–インプット無しのアウトプットができない–
私は仕事の関係で、研究計画書、学術論文に向き合うことが多いです。私はいくら研究計画、論文を書けるといっても、例えば小説、小説はどうにもかけないものです。
なぜ私は研究計画を書けるようになったのか?「書けない」から「書ける」まで私がどのような努力をしたのか、ということを考えてみました。その最も重要な努力の一つとして、私はよく学術論文を読んできたのです。それを積み重ねた結果、
- 学術論文の構成を非常に理解するようになりました。どこが重要なポイントなのか、どこが読まなくてよいのか、わかるのです。このように、誰よりも早くその論文の核心をつかめることができます。
- その結果、読むスピードが一段と速くなりました。これは限られた時間で多く読めることになります。
以上のように、「読むことが先にできた」からこそ、書けるという結果になるということです。もちろん、「読むー書く」の繰り返す作業を経てですね。逆に私はあまり小説を読まないから、読まない以上、書けるようになれません。
皆さんに考えてみてほしいですが、あなたは研究計画書や論文の作成に悩んでいるのであれば、1日、1週間、1ヶ月間にどのくらいの時間を使って学術論文を読んでいるのか、を考えてみてください。もし、全然読んでいないのであれば、書けない原因がまずそこにあると思います。
ここまでの論点を改めて強調しましょう。インプットなしのアウトプットができません。
そのため、もし、あなたは研究計画や学術論文をうまく書けたいのであれば、その面のスキルを本当に把握したいのであれば、どうか学術論文をしっかり読んでみましょう。
実には、「読むこと」についてもう一つの意味が内包されています。
しかし、その意味がめったに知られていません。これから、それについて説明しますね。例えば、あなたは第1原稿を書き終わって、これから編集作業に入るとしよう。ここで質問:あなたはどのように編集すれば合格基準に満たすのか?
おそらく、前の読む段階、インプット段階でしっかりと学術論文の構成を理解していない以上、ここで編集の基準がわからないと思います。
私は、日本の大学研究生や大学院に進学しようと考える学生さんとよく接触しますが、ライティングに関する質問が多いです。例えば、「どのようなものを最終的に作ればよい研究計画と呼ばれるのか、どこまで60点合格ラインなのか、どこまで80点クラスに入り、どこまでかけたら90点まで伸ばせるのか」等々、そういう基準がわからないです。
つまり、皆さんは、そういう基準がわからないから、心の中でいつもモヤモヤ感があるから、実に皆さんは「書けない」ではなくて、その最終形態がよくわからないから、動かない、書けないのではないでしょうか。
では、どうすれば良いでしょうか。
量より質だ。100の論文を無関心で読むより、1つ2つの学術論文をしっかり読んだほうがオススメです。あなたの興味に合った論文の方が一番望ましいです。興味、関心があるからこそ、読み込むことができます。
注意してほしいポイントは、読み込むことだ。その論文の目的、つまりその研究者はなんの目的でわざわざ論文をまとめるのか、何をなぜ、どう検証したのか、どのように論を進めているのかを理解してほしいです。しかし、多くの学生さんは以上を理解せず、真剣に論文に対応しているとは言えません。
まだわからない人に、例をあげましょう。あなたは日本教育社会学会の学術専門誌に論文投稿をしたいと考えているとしよう。その場合、一番賢い方法は学会のこれまでの論文集を1日も早く入手し、読み込むことだ。そこから、投稿可能な論文のレベルとは一体どのようなものなのかを感じてみてください。もちろん論文の読み込み作業を通じてですね。
以上、書くプロセスにおけるインプットという段階を説明しました。インプット無しのアウトプットができない、ということを理解できたでしょうか。
今日から行動しましょう!
書くことは決して難しいことではありません。
誰でもライターであること、ライティングの法則に従えば必ず書けることを忘れないでください。
あなたは何を書こうとしていますか。
そのためのインプットは十分できているのでしょうか。自問自答して次にやるべきことがきっとわかるでしょう。
では、また次回お会いしましょう!
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