学術研究と呼ばれるものは、必ず共通する要素があります。それらの要素が分かれば、我々は学術研究へもっと理解できるし、研究計画を立てる時に踏まえなければいけないポイントもわかるようになります。
学術研究は必ず以下の共通要素が備えています。
- 研究問題/リサーチクエスチョン/RQ
- 研究方法/アプローチ
- 研究対象/領域
まず研究問題/リサーチクエスチョン/RQについて、
これは学術研究と呼ばれるものの核心です。あなたがやりたい研究は本当に必要なのか?研究の価値があるのか?あなたがやりたいその研究問題/リサーチクエスチョン/RQは、本当に学術研究が取り扱うことができるものなのか?取り扱うと言っても、本当に研究を通じてその答えを見つけ出せるのか?答えを見つけ出せると言っても、何年間必要なのか?等々、全てがこの研究問題/リサーチクエスチョン/RQに密接に関わります。
次に研究方法/アプローチについて、
研究方法は、あなたが研究しようとするRQをどのような方法で解明するかということです。研究方法を、量的調査や質的調査などの調査方法と認識している学生さんが多くいるでしょう。それは大間違いです。
実際には研究方法/アプローチをそんなに複雑に考えなくていいです。問題を解決する手順として、ステップごとにどんなことをやるかを述べればいいということです。つまり、「本研究は上記の研究問題を解明するために、以下の5ステップによって進めていく。STEP1、STEP2、、、」のような考え方と書き方で結構です。量的または質的調査法は、むしろ状況に応じて必要なSTEPに入らせていくものです。
これを理解できれば、どこまで研究計画を立てればいいか、といった研究計画書作成時の伸縮性もわかってくるでしょう。
最後に研究対象/領域について、
これは理解しやすいですね。小学校にある何らかの問題に関する研究であれば、研究対象はまあ、小学校、初等教育になるんですね。見方によって違う見解があるかもしれません。小学校に関わる問題であれば、やはり教育学の学問領域ですねという見方を持つ人もいるし、小学生の心理問題を対象しているので、やはり心理学領域になるんじゃない?と考える人もいます。
要は、あなたが研究しようとする問題は、直接研究対象を決めるタイプの研究もありますし、もしあなたが研究しようとする問題は抽象的なもの(例えばある理論の検証など)であれば、適切な研究対象を探す必要となるタイプの研究もあります。このように、研究対象を調査対象と同じように考えてしまう学生さんもいるでしょう。
また、僕は一番面白いのはこの要素だと思います。というのは、この要素から多くの研究発想を提供してくれるからです。誰の言葉なのか忘れましたが、アイデアはよく自分の専門外から生まれてくれるのだと。
今日は以上です。お読み頂きありがとうございます。
今後は具体的な学術論文を挙げながら、この3つの要素を説明していきたいと思います。
また、この3つの要素は、私たちのもう一つ重大な問題を解決してくれます。それは研究発想、アイデアの問題です。多くの学生さんは、研究計画書を書けない原因は、アイデアがないと言っているので、この問題をうまく対応してくれているのは、この研究の共通要素です。共通要素からどのように研究アイデアに貢献できるのかを今後、少しずつ皆さんに紹介していきたいと思います。
繰り返して強調しますが、この3つさえ徹底的に理解できれば、研究計画書の作成が目標でしたら、もうあなたはすでに90%のポイントを抑えていると、いうことです。
では、次回でまたお会いしましょう!ご幸運を祈ります
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