研究計画と学習計画との違いは?

Aug 13, 2022 | 研究計画書 | 0 comments

Written by Bo

 研究計画書を学習計画のように書いてしまう人が多いです。研究計画は学習計画とどこが違うのでしょうか?その違いを理解するためにまず「研究」と「学習」の違いを明確にしなければなりません。

まず学習について、

 我々は生まれてから成長していくたびに知識の勉強と伴いました。人間社会で生活していくために、最低限の知識を勉強しなければなりません。それぐらいの教育を誰でも受ける権利がありますので、国としては義務教育の実施を行なっています。高校段階からは違いましたよね。職業高校に入る学生もいるし、大学を目指して普通の高校に入る学生もいます。大学で経済学を選んだのであれば、どの国の大学でも大体同じような経済学の一般知識を教えていますよね。科目設置がどう違ったとしても、マクロ経済学、ミクロ経済学、高等数学、統計学等は絶対抑えなければいけない知識の基盤です。

次、研究について、

 それをいろんな角度から多様に定義できると思います。前述した「学習=知識の勉強」に対して、研究とは、知識の勉強をした上で何か新しいモノを創ろうとするプロセスだと、僕は定義したいです。紙飛行機の作り方を必死に改良して、実験を繰り返して遠く飛ばせようとする子どもは、まさに研究をやっていると思います。問題解決のアイデアを仮説として検証していく作業が研究ですから。

 ところが、世の中に研究は研究者の仕事だと、偉いなあと勘違いしてしまう人が多いです。研究者は偉くありません。研究を世の中の一つの職種として普通に働いていますから。ところが、研究という作業は科学性という指標で測るので、科学的なモノは一般性や法則性などの性質を持ちますので、物事や我々の社会に正しく知るために重大な意味を持つ場合もあります。こういう意味で、研究者は科学者、偉い職業だと言われています。

 では、科学性というものは何でしょうか?イメージとして、もう一回紙飛行機の例を考えてみましょう。それを学術研究としてやるとしたら、まずこれまでの紙飛行機の折り方と飛ばす距離を踏まえる必要があります。どんな環境で、どのような厚さの紙を使えば、頭や翼はどう折れば、一番風に乗れて遠く飛ばすかのデータを測定して、そこから飛ばす距離に影響する要因を把握するようにします。それでそれらの要因を配慮した作り方で実際に作って飛んでみた結果、これまでの紙飛行機と比べて一番長い距離飛べたのであれば、おめでとう!!世の中、一番飛べる紙飛行機を造りましたね。

以上述べたことから、学習と研究の違いがはっきり分かると思います。

 「学習」はこれまでの知識の勉強だということに対して、「研究」はその上で新しいモノを造ろうというプロセスなのだ、しかもそのプロセスは科学性という指標に満たされなければいけません。

ならば、研究計画書は学習計画書とどう違うのでしょうか?

 「学習計画書」は、自分の意思で、自分ペースで計画を立てばいいので、知識の勉強だから、勉強の方法とかスケジュールとかどんな教科書を使うとか、自分で決めれば結構です。

 「研究計画書」はそういけません。繰り返して述べますが、科学性という指標に満たす必要があります。つまり、あなたのやりたい研究は、どんな科学的な手法でやっていくつもりなのか、そもそもその研究をやる価値があるかどうか、価値があると言っても先人から残された史料、研究や知識の準備があまりできていない場合に、研究実行ができないケースも多い、といったような内容を研究計画書に書くべきです。

 以上です。今回は学習と研究の違いから、学習計画と研究計画はどう違うのかを解説しました。そのうえで、研究計画書にどんな内容を書くべきかまで少し触れました。いかがでしょうか。お役に立つことができれば嬉しいです。皆さん、どんな研究をやりたいですか?研究計画を立てていますか?皆さんのコメントや質問を期待しています。応援しています。

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